起業・独立がもてはやされる時代に、会社で働く価値をもう一度考える
近年、SNSやインターネットを中心に
「独立」「起業」「フリーランス」「自由な働き方」といった言葉を目にしない日はありません。

一方で、こんな空気を感じたことはないでしょうか。
- 会社員=自由がない
- 平社員=成長できない
- 地方の企業=将来性がない
まるで
「会社で働き続けること」そのものが悪い選択であるかのような風潮。
しかし本当にそうなのでしょうか。
本記事では、
地域取材や現場の声をもとに
「平社員」という存在の価値を改めて見つめ直しながら、
これからの働き方について考えていきます。
なぜ「平社員=悪」というイメージが生まれたのか
まず、この風潮が生まれた背景を整理してみましょう。
SNSで拡散される「成功モデル」の偏り
現在、SNSで目立つのは以下のような発信です。
- 20代で起業して年収○○万円
- 会社を辞めて自由な生活
- 好きなことで生きていく

もちろん、こうした生き方自体が悪いわけではありません。
ただし問題は、
それ以外の選択肢が見えにくくなっていることです。
静かに、誠実に、
会社の中で価値を発揮している人たちは
SNSではほとんど可視化されません。
結果として、
「目立つ働き方=正解」
「地味な働き方=失敗」
という、極端な認識が広がってしまっています。
会社は「平社員」で成り立っている
ここで、冷静に考えてみてください。
どんな企業も、
一部の経営者やリーダーだけでは回りません。
- 現場で手を動かす人
- 顧客と向き合う人
- 日々の業務を積み重ねる人
こうした “名もなき仕事” を担っているのが、いわゆる「平社員」です。

特に地方企業では、
- 少人数で複数の役割を担う
- 仕事の幅が広い
- 裁量が現場にある
というケースも多く、
決して「歯車」ではありません。
むしろ
会社の屋台骨を支えている存在と言えます。
地方企業の「平社員」は、実は成長機会が多い
「成長したいなら都会へ」
「スキルを積むなら大企業へ」
そんなイメージも根強くあります。
しかし、地域の現場を取材して感じるのは、
地方企業だからこそ得られる経験の多さです。

地方企業で得られるリアルな経験
- 業務範囲が広く、全体像が見える
- 経営者との距離が近い
- 意見や提案が反映されやすい
- 仕事の成果が地域に直結する
大企業では分業されがちな業務も、
地方企業では一人が複数を担うことも珍しくありません。
これは裏を返せば、
実践的なスキルが身につきやすい環境とも言えます。
「起業しない=挑戦していない」わけではない
もう一つ、よくある誤解があります。
それは
「起業しない人は挑戦していない」
という考え方です。
実際には、
- 現場改善に挑む人
- 新人育成に向き合う人
- 顧客との信頼関係を築く人
これらも立派な挑戦です。
ただし、
派手さがないため注目されにくいだけ。
挑戦の形は一つではありません。
定着率の低さは「会社が悪い」だけではない
若者の早期離職や定着率の低さが問題視されています。
もちろん、
- 長時間労働
- 低賃金
- ハラスメント
など、改善すべき企業側の課題は存在します。
一方で、
「仕事とは何か」
「会社で働くとはどういうことか」
この部分を体系的に理解しないまま
入社・退職を繰り返しているケースも少なくありません。
SNSの断片的な情報だけで判断すると、
- 思っていた仕事と違う
- 成長していない気がする
- 他の道が良さそうに見える
と感じやすくなります。
必要なのは「どれが正解か」ではなく「選べる状態」
ここで強調したいのは、
会社員が正解
起業が間違い
という話ではありません。
大切なのは
自分に合った選択をできる状態かどうかです。
そのためには、
- 地域企業のリアルな情報
- 働く人の声
- 仕事の実態や背景
こうした情報が、
もっと開かれている必要があります。
knot&が伝えたいこと
knot&では、
地域の店舗・企業・農家・施設などを取材し、
- 働く現場の空気
- 人の想い
- 仕事の本質
を、写真と言葉で届けています。
目的は
「この仕事が正解だ」と決めつけることではありません。
選択肢を増やすこと。
情報の偏りを減らすこと。
その先に、
「自分なりの働き方」を選べる社会があると考えています。
まとめ|「平社員」は、社会に必要な存在

改めて問いかけます。
「平社員」は悪なのでしょうか。
答えは、明確に NO です。
- 組織を支える存在
- 地域を動かす存在
- 社会を静かに前進させる存在
派手さはなくても、
欠かすことのできない役割があります。
起業か、会社員か。
都会か、地方か。
二択ではなく、
グラデーションのある選択肢を。
このブログが、
誰かの視野を少し広げるきっかけになれば幸いです。



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